統合失調症の妄想への対応について
私は、6年ほど精神障害者デイケアでスタッフとして仕事をしていました。
職場は病院の精神科デイケアや保健センターのデイケアでした。
これらの場所でいつもスタッフが神経を使い、対応をかなり慎重にしていたのが
統合失調症の方が語る「妄想」への対応でした。
私達スタッフにしてみれば、統合失調症の方が語る「妄想」は事実ではないし、
「ありもしないこと」であることが多いのですが、当事者にしてみれば
自分が「リアルに感じていること」であり、それに対して恐怖感を抱いていたり敵意を持っていたりします。
私達が「そんなこと、あるわけないわよ」と言ってしまうと、
当事者はそれがたとえ妄想であっても(本人は「妄想」ではなく「事実」だと強く思っていますが)
「自分の苦しみや恐怖はわかってもらえない!」
と落ち込んだり、周囲の人達への不信感になったりしがちです。
かと言って、その「妄想」をひたすら傾聴したり、親身になって聴いてしまうと、
その人の「妄想」がどんどん膨らみ、収拾がつかなくなり、結果として症状を悪化させてしまうこともあります。
私達がよくやっていた対応は、「そうなのね」「そっかぁ」などの言葉を使い、
「妄想」に対して肯定も否定もしない、というものでした。
一通り話した後で「そうなんだ」とだけ言い、現実的な話に切り替えていました。
この話が何か参考になればと思います。
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